大人の趣味時間
ELFFAN WEB vol.12
趣味を広げたい春に、はじめてのトレッキング

トレッキングの魅力は景色を楽しむこと
忙しい毎日の中で、気分を切り替える時間は意外と取りにくいもの。
そんなときにおすすめしたいのが、山や自然の中を自分のペースで歩くトレッキングです。
トレッキングは、山の景色を楽しむのが目的のため、体力や技術を競うものではありません。
無理をせず、その日の体調や天候に合わせて歩くことで、自然と向き合う時間そのものを楽しめる趣味です。
今回は、初心者が押さえておきたいトレッキングの基本をご紹介します。
心から楽しむことが、続けるためのコツ

トレッキングを長く楽しむためには、「心から楽しめているかどうか」が大切です。
人からどう見えるか、どこまで行けるかといった外側の基準が入りすぎると、天候や体調を無視して無理をしてしまいがちになります。
自分が「今日は歩きたい」と感じられるかどうか。
その感覚を大切にすることで、無理のない行動につながり、結果として長く楽しめる趣味になります。
初心者は、短い山歩きから始める

これからトレッキングを始める場合、最初から高い山や長時間のコースを選ばないことが基本です。
たとえば知名度の高い山は、「一度は行ってみたい」という気持ちが先行しがちですが、体力的な負荷が大きく、天候次第では楽しさを感じにくい場合もあります。
初めは1日トレッキングを楽しむ場合も、コースタイム3時間以内を目安にしていると、アクシデントにも対応しやすいです。
山を歩く感覚や自分のペースを段々とつかめてくると、「今日はこの条件だから、こう感じる」という判断ができるようになり、山歩きの楽しみ方が自然と広がっていきます。
トレッキングに欠かせない基本の持ち物

道具は、最初から完璧にそろえる必要はありませんが、安全に関わる装備については、最低限しっかりと準備しておきたいところです。
トレッキングに慣れていない時こそ、無理をせず、道具に助けてもらいながら山歩きを楽しみましょう。
① 歩きやすい靴
滑りにくく、疲れにくい、くるぶしまで足をしっかり支えてくれるかを確認してください。専門店で、行き先や山のイメージを伝えながら相談してみるのも一つの方法です。
② バックパック(リュック)
両手が空き、肩と腰で重さを分散できるものがおすすめ。日帰りのトレッキングであれば、25〜30Lを目安にすると、余裕を持って使えます。
③ 防寒具や雨具
天候の変化に備え、防水透湿素材のウェア、上下セパレートのレインウェアを用意しておくと心強いでしょう。レインウェアは、いざという時の防寒対策としても役立ちます。
④ 地図や地図アプリ
紙の地図と方位磁石は全体像を把握するために欠かせないアイテムです。また地図アプリは、現在地の把握に活用できます。スマートフォンを使う際は、モバイルバッテリーも一緒に持って行きましょう。
春だからこそ感じられる山の表情

春のトレッキングは、自然の変化を身近に感じられます。
芽吹き始めた新緑や足元に咲く花、やわらかな光と空気。春のわずか2週間ほどしか姿を見せないカタクリやニリンソウ群生など、思いがけない自然の景色に出会うことがあります。
暖かくなってくる春ですが、山の上には雪が残っていることも。気温差を感じやすい季節でもあるため、服装や持ち物には注意しましょう。
初心者におすすめしたい山選びの視点

初心者の山選びは、季節や地域に合った条件を重視することがポイントです。
例えば、夏に標高の低い山に登ると熱中症の危険が高まることもあるため、標高は高くてもなだらかな高原を選ぶと心地よいトレッキングを楽しめます。
・標高差が大きすぎない ※気温差にも注目
・コースタイムが短め
・引き返しやすいルートがある
・アクセスがよく、自然の変化を感じられる
こうした条件を満たす山で経験を重ねることで、無理なく山歩きの楽しさを実感できます。
情報収集の際は、個人の体験談やネット情報も参考になりますが、体力や経験には個人差があります。あくまで一個人の主観として捉え、自身の状況に照らし合わせて参考にすると安心です。
まとめ
トレッキングは、速さや頂上を目指すためのものではありません。
その日の体調や天候に合わせて歩くことで、自然と向き合う時間を、自分のペースで楽しめる趣味です。頑張ることよりも、感じることを大切にしながら、自然の中を歩く時間を楽しんでみてはいかがでしょうか。
春のやわらかな空気が、その最初の一歩を後押ししてくれます。
監修/ネイチュアリング・スクール「木風舎」代表 橋谷 晃さん(ハシヤ アキラ)
『チャレンジ!ホビー あなたもこれから山ガール』(NHK出版・監修)、『自然を歩こう!トレッキングのABC』(山と溪谷社)など著書多数。NHK BSプレミアム『にっぽん百名山』シリーズをはじめ、テレビ・ラジオなど幅広いメディアで活躍する、山歩きのエキスパート。



















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